どんな副作用があるのか。
ネクスガードスペクトラはノミ・ダニ・おなかの虫、更にはフィラリア症予防までもが1つのお薬でできる万能チュアブルタイプのお薬です。1つのお薬で効果があればあるほど、飼い主さんとしては嬉しいですが、薬の有効成分が増えれば増えるほど、気をつけなくてはいけないのが副作用です。人間同様、どのお薬にも副作用はつきものです。ネクスガードスペクトラ投与によって考えられる副作用について解説してみましょう。
ネクスガードスペクトラの有効成分はアフォキソラネルとミルベマイシンオキシムです。
アフォキソラネルは動物用医薬品として初めてとなるイソオキサゾリン系の新規化合物で、犬専用のノミ・マダニ駆除として開発された薬剤です。犬の経口用お薬として投与することで、ノミ・マダニ対し高い殺菌作用があります。無脊椎動物の中枢神経内における作用により、神経細胞への塩素イオン流入が阻害され、ノミ・マダニ類を異常な興奮状態にする結果、死に追いやることになります。犬や人間などの哺乳類には効果がなく、安心して使用できるお薬なのです。
ミルべマイシンオキシムは30年ほど前から使用されている有効成分で、イベルメクチンと同系列のお薬となっています。この成分はフィラリア症対策、犬回虫,犬鞭虫,犬鉤虫、のお薬として効果を発揮します。子犬にも安全性が高く、昔から使用される有効成分の一つです。
薬を使用することによって不安なのが副作用です。副作用よりも、その薬によって得られる効果が有益なものであれば、薬を使用するという選択肢が出てきます。
この有効成分2つによって起こり得る可能性のある副作用は以下が考えられます。
①アフォキソラネルによる副作用。
- 下痢
- 嗜眠(しみん:常に眠っている状態のことを指します)
- 嘔吐
②ミルべマイシンオキシムによる副作用。
などの報告が上がってきています。
しかし、いずれの症状も一過性のものであり、命にかかわるような危険性が低いとみられます。どの症状も3〜4日間以内で収まるのが一般的なようです。(ネクスガードスペクトラを投与してから1週間以上体調不良が悪い場合はかかりつけの動物病院へ相談することをおすすめしています)
「下痢」に関しては、お薬の有効成分のせいではなく、ネクスガードスペクトラに使用されている肉が合わないということも考えられます(食物性アレルギー)。副作用は、飼い主さんが日ごろから愛犬の体調管理をし、少しの違いを見落とさないことが大事です。特にお薬投与後は、愛犬の健康状態を忘れずにチェックしてあげましょう。