マダニを知ろう!

マダニが引き起こす病気、見つけたらどう対処するか、
マダニ予防について読み解きましょう。

マダニには800以上もの種類があり、いろんな環境に適応し、どこでも生息できるため世界各国で問題になっています。マダニの厄介な点はペットのみならず、野生動物や人間に対しても寄生し、貧血や皮膚病の原因になるだけでなく、恐ろしい病気の感染源とも成り得ます。

6本脚からなる昆虫とは違い、マダニは8本脚をもつ節足動物の1種です。硬い外皮を持ち、幼ダニから若ダニ、そして成ダニと成長します。吸血前のマダニの大きさは3~4㎜程度で、肉眼ではなかなか発見しにくい大きさです。吸血し、膨張すると500円玉ぐらいの大きさになる種類もあります。犬の顔、お尻、指の間、股の間、口の周り、目の周り、ぱっと目につきやすいところから、更にはなかなか目の届かないところに寄生することもあり、発見が遅れることも多々あります。

マダニの繁殖期は5~9月とされており、年がら年中活動する可能性もあります。屋外から一般的な住宅内のどこにでもマダニは潜んでいますが、主なマダニの生息場所としては、草むらが多く、散歩中の犬や移動中の人間などを見つけたら付着し、そのまま寄生となることが多いようです。「マダニ」と聞くと、森や林を想像する方も多いようですが、都会の公園や河原などいたるところでマダニは発見することができます。

体が小さい小型犬が大量のマダニに寄生され吸血されると、貧血を起こす可能性があります。また、吸血される際の唾液がアレルゲンとなり、アレルギー反応を起こす場合もあります。さらにはバベシア症やライム病、日本紅斑熱、Q熱、エールリヒア症、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)など人畜共通感染症(ヒトにも動物にも感染する)を媒介する危険性がありあます。場合によっては命に関わることもあります。

バベシア症に感染すると、 2〜3週間で症状が現れると言われています。その症状は発熱、粘膜蒼白、茶色い尿を排出するビリルビン尿などがみられます。何も対応せずに放っておくと、症状が進み、黄疸、重度の貧血、更には多臓器不全を引き起こしかねません。犬にとっては死を招くかもしれない危険な症状です。

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)はヒトにも移る感染症で、特に気をつけたい人畜共通感染症の1つです。この感染症は6日間~2週間程度の潜伏期間があり、その後、発熱、嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛といったような、風邪の症状が現れます。ひどくなると、頭痛、筋肉痛、意識障害、失語症などの神経症状、リンパ節膨張、皮下出血、下血などの出血症状も現れます。出血することにより、白血球・血小板の減少などを伴い、危険な病気となっています。この病気は、主にSFTSウイルスを保有しているマダニに噛まれることにより感染します(動物もヒトも同様)。犬から飼い主(ヒト)への感染も日本国内で過去に感染が確認されており、SFTSウイルスに感染し、発症しているペットの体液に触れたことにより感染したと思われます。ヒトへの致死率は10〜30%と言われています。

マダニの取り方には注意が必要です。

マダニを見つけた時、焦って取り除くのはやめましょう。マダニが吸血をする際、皮膚の奥深くまで牙を立て、口にある突起物を差し固定します。多少の力では簡単に引き抜くことが出来ないため、マダニの本体だけがちぎれ、頭部のみが体内に残ってしまうと、化膿することもあるので、きちんとした方法で対処することが大事です。

先端の細いピンセットを用意しましょう。できるだけ皮膚の表面に近いところで、ダニをピンセットでつかみます。皮膚表面とピンセットがくっつくぐらいが理想です。そのまま上に引き上げるとマダニの体だけがとれ、口の部分が体内に残ったままになってしまう可能性があるので、ポイントはくるくると回しながら引き抜くことです。マダニ除去器具などもあるのでそれを利用するのもいいでしょう。
マダニが皮膚についたまま押しつぶしてしまうと、マダニの体内にあるウイルスや毒素を宿主へ押し込むことになってしまうので、押しつぶすことだけはしないように気をつけましょう。

マダニを取り除いた後は、石鹸で洗うなどして、数日は様子を見ることが大事です。

取り除くのが不安な人は動物病院で対処してもらうこともできます。

マダニは予防するのが1番です。

このことからも、マダニは寄生してからあたふたして取り除くのではなく、お薬によって駆除するのが1番いい方法です。マダニ感染のピークは、梅雨時期と秋の2回です。ですが、マダニは1年中生息しているので、1年を通して予防・駆除する必要があります。ネクスガードはノミ・マダニ予防・駆除、ネクスガードスペクトラは、さらにフィラリア症も予防してくれるお薬です。チュアブルタイプなので、全身へくまなく回るので安心です。ネクスガード、又はネクスガードスペクトラを、時期にあった方で選び、愛犬へのマダニ寄生をなくしてあげましょう。